交通事故損害賠償金計算の際の「中間利息控除(ライプニッツ係数)」とは?
監修者: 交通事故チーム主任弁護士
羽賀 倫樹 (はが ともき)
交通事故の問題は、当事務所のホームページをご覧になられた被害者の方が、無料相談にお越しになった後、そのままご依頼いただくというケースがよくあります。 記事をお読みになられて弁護士に相談をしたくなりましたら、お気軽にお問合せください。
- 相談者
- 交通事故による示談金額の計算に使われる「ライプニッツ係数」とは何ですか?
- 羽賀弁護士
- ライプニッツ係数は、将来発生する一連の金額(逸失利益など)を現在価値に換算する際に使用される数値です。
この係数を使うことで、未来のある時点で受け取るはずの金額が、現在の価値でいくらになるかを計算できます。
将来得られるはずだった収入を前倒しして受け取りますので、前倒しする分の利息が控除されます。
- この記事でわかること
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- 中間利息控除(ライプニッツ係数)とは何か
- ライプニッツ係数を使った現在価値の計算方法
- 逸失利益や福祉車両購入費の計算でのライプニッツ係数の利用例
- 2020年4月1日以降に発生した交通事故におけるライプニッツ係数
- こんな方が対象の記事です
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- 中間利息控除(ライプニッツ係数)について知りたい方
- ライプニッツ係数を用いた示談金額の計算方法を知りたい方
中間利息控除(ライプニッツ係数)
n年後のX円の現在価値を計算したい場合は、下記(左側のリスト)ライプニッツ係数表」のn年後に対応する年別ライプニッツ係数をかければ算出できます。
例えば、重度の脊髄損傷を負い福祉車両が必要となり、6年おきに車両を買い換える必要がある場合、車両の価格に6年後、12年後…のライプニッツ係数をかけて、それをすべて足し算すれば、車両購入費の賠償額が算出されます。
また、逸失利益の計算では、毎年同額の年収を得られたとして逸失利益を計算します。ただし、年収400万円について、1年後、2年後…n年後と、毎年分を現在価値に引き直したうえで、それらを足して逸失利益を算出するのは大変です。 例えば、400万円の年収の人について5年分の逸失利益を計算する場合、
これらをすべて計算して合計せねばならず、計算ミスがおこる可能性があります。そこで、下記(右側のリスト)の「年金現価表」では、1年後からn年後までの年毎のライプニッツ係数を合計した数値を計算しており、n年間の逸失利益を計算する場合、基礎収入にn年の「年金現価表」記載の数値をかければ良い状態にしています。上記の例でいうと、以下の算式だけで計算できます。
■ライプニッツ係数表 | ■年金原価表 |
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以上のライプニッツ係数は、2020年3月31日までに発生した交通事故に適用されます。2020年4月1日以降に発生した交通事故について、交通事故発生時の法定利率が3%の場合は、下記の通りとなります。なお、交通事故発生時の法定利率が3%ではなく、2%とか4%というような場合は、ライプニッツ係数は変わってきます。
■ライプニッツ係数表 | ■年金原価表 |
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次のページでは、交通事故による損害賠償額の計算方法について、実例を交えて分かりやすく解説しています。
更新日:2016年11月29日
交通事故チームの主任として、事務所内で定期的に研究会を開いて、最新の判例研究や医学情報の収集に努めている。研究会で得た情報や知識が、交渉などの交通事故の手続きで役立つことが多く、交通事故チームで依頼者にとっての最高の利益を実現している。
また羽賀弁護士が解決した複数の事例が、画期的な裁判例を獲得したとして法律専門誌に掲載されている。
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