遷延性意識障害の賠償請求に役立つ
様々な情報をご紹介しています。
05保険会社の主張
- このページのポイント
- 加害者側の保険会社からの主張について解説します。保険会社からの主張内容は、ご家族にとってはとても辛いことでしょうし、衝撃を受けられるかもしれません。しかし、こういうものだと知っておくことで、しっかりと対応していく必要があります。
「健常者より早く亡くなる」という保険会社の主張
「多額の介護費用は必要ない」として減額を迫ってきます。

遷延性意識障害になった方は「平均寿命が短い」と主張してくることがあります。つまり、健常者よりも早く死亡するから、将来的な介護費用は少なくていいという主張です。これでは毎日介護に努めているご家族の苦労を否定し、介護するだけムダだと言っているようなものです。実際にこのような主張に打ちひしがれてしまうご家族がたくさんいらっしゃいます。
しかし、上記の根拠となっているデータには、問題が多いとの指摘があり、適切に反論・反証して、保険会社の主張を崩していかなくてはなりません。

「健常者より生活費がかからない」という保険会社の主張
「寝たきりの人は生活費がかからない」として逸失利益の減額を主張してくることがあります。

生活していくには、食費や衣料品の費用など、暮らしていくために必要となる固定経費が必要になります。死亡事故の場合、死亡したために不要となったこの経費を差し引いて「逸失利益」を算定することになっています。保険会社は、遷延性意識障害になった場合も「衣類などはあまり必要ではない」として、その分を控除すべきであると主張してくる場合があります。
しかし、「健常者よりも出費が少ない」と言う主張には、はなはだ疑問がありますし、ただでさえ逸失利益は中間利息控除によって金額が小さくなることなどを考慮すると、保険会社による不当な主張と言えるものであり、適切に反論する必要があります。


弁護士の反論ポイント
・遷延性意識障害の方は生活費があまりかからないという主張には疑問がある。
・逸失利益を下げるための手段としては不当と考えられる。

保険会社は味方と思わないほうがいい
保険会社が被害者への賠償金を下げようとするカラクリ
保険会社は利益をあげなくてはならない企業です。つまり、被害者への支払いを少しでも下げることで、より利益を守ることができるわけです。事故直後は、低姿勢で何かと気遣ってくることもあるかもしれませんが、決して被害者の味方ではありません。交渉や裁判の場面では、保険会社内部の基準に従って、弁護士基準より低い金額で算定してきます。
遷延性意識障害の賠償金は億単位の非常に高額なものになりますから、会社の利益を守りたい保険会社との交渉は、熾烈なものになることが多いのです。
慰謝料・賠償金請求する上での留意点
弁護士に依頼することをお勧めします。

遷延性意識障害の賠償金は億単位になりますので、保険会社は、たやすく応じることはないでしょう。さまざまな手法、主張によって金額を下げようとします。ひとつひとつ丹念に立証・反論を重ねなくてはなりません。交渉が長期化する可能性も高く、精神的な負担、実際に必要な費用の負担などが重くのしかかってくるでしょうが、弁護士とよく相談して、安易に低い金額で解決しようとしないことが大切です。

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