「高次脳機能障害」の賠償請求に役立つ
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06高次脳機能障害の介護・看護費用と賠償金請求について
- このページでわかること
- 高次脳機能障害は、さまざまな障害が発生するため、生涯にわたり介護や看護が必要となる可能性があります。本人の収入が途絶えている場合に、見守りや看護のために家族が離職すれば、さらに経済的な負担が増してしまいます。また、家族も年齢を重ねますし、転勤や結婚などで生活環境が変化することもあります。家族だけで看護することが困難になることもあるでしょう。将来まで見据えた、生活設計と資金計画が必要となります。
重度の場合、家族等の看視が必要になることも
後遺障害等級が重度の場合、被害者の性格が、事故前に比べて大きく変化してしまうこともあります。たとえば、些細なことで激怒したり、暴力を振るったりするほか、羞恥心が低下してしまうこともあります。さらには、脳の機能に障害があるものの、身体的な障害がないことから、前触れもなく外出し、そのまま自宅に戻れなくなるという可能性もあります。そのような場合、常に看視が必要となります。
大きな負担となる将来介護費用(1級、2級だけとは限りません)
医療の進歩により、一命はとりとめたものの重度の障害が残るケースが増えました。特に、高次脳機能障害で重度の認知障害が残った場合、将来の介護及びその費用負担は、被害者ご本人だけでなくご家族にも大きな負担となってのしかかってきます。 自賠責保険では、高次脳機能障害の方について1級・2級の場合に限って、将来介護を対象とする制度設計がされています。しかし、実際には、3級や5級の方でも見守りを中心とした将来介護が必要な場合が多いですし、実際に介護料が認められる事例があります。1級や2級でないから介護料は請求できないとあきらめるのではなく、きめ細かくかつ丹念に、問題となったエピソードや、介護や見守りが必要な事実を拾い出して、主張していく必要があります。
介護体制は、大きく分けると、自宅介護・施設介護・入院の3つが考えられます。現状の介護体制を重視して介護費用が算定されるのが一般的ですが、将来的な変更の可能性が考慮されることもあります。なお、認定される介護費用は事案により様々ですが、自宅介護が最も高く、入院が最も低い傾向があります。
将来介護費用の内容をどう立証するか
高次脳機能障害においては、障害の内容や程度、生活環境に応じて、必要となる介護内容は異なっており、まさに千差万別といえます。 例えば、勝手に自宅を出てしまうと方向感覚も地理感覚もなく自宅に戻ることができないような障害が残ってしまう場合があります。また、家族の方に対してだけ激高されるような場合もあります。将来介護の必要性やその内容については、きめ細かな主張立証活動が必要不可欠となります。メモとして残しておいたり、場合よっては写真撮影・動画撮影をすることもあります。
介護のために仕事を辞めても補償がないという問題
被害者の方に高次脳機能障害が残った場合、ご家族の誰かが仕事をやめて介護に当たられることがありますが、仕事を辞めたことに対する補償は、認められません。近親者慰謝料という形で一定程度は認められますが、仕事を続けた場合に得られる金額に比べるとわずかな金額なのが現状です。 また、損害賠償の場面では、近親者が介護に当たった場合に比べ、ヘルパー等のプロが当たった場合の方が、介護費用の単価がかなり高くなります。そのため、ご本人の生活の質からは近親者が仕事を辞めて介護に当たったほうが良いと思うけれど、仕事を辞めずプロに任せたほうが得られる金額が適正金額に近づくという相反する選択を迫られる場合がありますので、弁護士とよく相談して、判断してください。
「常時介護」と「随時介護」のどちらが必要か?
高次脳機能障害で介護が必要になってしまった場合、被害者の介護費用の算出に際して、「常時介護」と「随時介護」のどちらが必要か判断する必要があります。しかし、「常時介護」と「随時介護」の違いは、程度の問題であって明確に区別することはできません。 したがって、認定資料をもとに総合的に判断して、「常時介護」か「随時介護」で足りるのかを判断していくことになります。それには、「日常生活状況報告」の質問に形式的にチェックをするだけでなく、具体的な状況を書き出して、被害者本人の日常生活状況をより具体的かつ詳細に主張することが必要です。
当事務所では、被害者のご家族から被害者ご本人の日常生活状況と、それを支えるご家族の困難について、詳細に聴き取りを行ったうえで書類を作成し、適正な自賠責等級の獲得を目指しています。なお、自賠責保険上では、介護費用は1級と2級にしか認められないことになっていますが、3級や5級でも介護料が認定された事例がありますので、問題となっているエピソードや、介護や見守りが必要な事実を、きめ細かくピックアップしていく必要があります。
成年後見の申立が必要
将来にわたり定期的に収支報告が課せられます。
高次脳機能障害が残った場合、成年後見申立をせざるを得ないことがあります。重度の高次脳機能障害が残った場合、ご本人は示談内容が適切であるか等の判断ができない場合があり、代わりに手続きを進める人が必要になるからです。
成年後見人の手続きもお任せいただけます。
成年後見人を選任するには、一般的にご家族の方から申立をする必要があります。準備すべき書類・対応すべき手続きは多岐にわたりますが、この手続きも弁護士に任せれば、ご家族のご負担を軽減することができます。
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